森 鴎外。 舞姫 (森鷗外)

森鴎外『普請中』ストーリーと解説と感想

森 鴎外

雁の主要登場人物 僕 ぼく 物語の語り手。 医科大学の学生。 岡田 おかだ 僕の下宿先の隣人。大学のボート部員。 末造 すえぞう 高利貸し。 お玉 おたま 末造の愛人。 飴細工屋の娘。 石原 いしはら 僕の友人。 大学では柔道部に所属。 雁 の簡単なあらすじ 明治時代に東大に通っていた「僕」は、大学の真向かいにある下宿・上条で岡田という青年と親しくしています。 毎日の散歩の途中で岡田が目撃したのは、 無縁坂の一軒家の前に立つ不思議な女性・お玉の姿です。 一目みた時から岡田に心を奪われてしまったお玉は、今の生活を捨て去ってでも彼と一緒になることを夢想していくのでした。 隣の部屋には1学年年下で、ハンサムでボート選手として活躍していた岡田という名前の学生が住んでいます。 スポーツの才能ばかりではなく文学趣味もあった岡田は、 散歩の途中で上野広小路や仲町の古本屋に立ち寄るが習慣になっていて僕とも本の貸し借りをする仲です。 9月頃いつもの散歩に出かけた岡田は、鉄門から不忍池に続く無縁坂で銭湯からの帰りらしき女性と出会います。 つい最近引っ越してきた様子の彼女と岡田は、 それ以降はすれ違う度に言葉を交わすようになりました。 彼女の名前はお玉で、以前は秋葉原で飴細工の屋台を出している父親とふたりだけで暮らしていたそうです。 お玉の結婚がうまくいかなかったことや父が商売を失敗したこともあり、今現在ではある男性からの経済的な援助を受けて愛人として囲われていました。 お玉のパトロンは、かつて東大医学部の寄宿舎に出入りしていた人物です。 成り上がり者の末造と日陰者のお玉 医学部の寄宿舎がまだ下谷にあった頃、末造は寄宿生たちの使い走りをしていたのが末造です。 最初のうちは小銭を受け取って焼き芋や空豆を買ってくるだけだった末造は、 手持ちのない学生のために商品の代金の立替を思いつきました。 ついには正式な証文を書かせて、学生を相手に本格的に利子を取り立てる商売を始めます。 医学部が本郷に移る頃には末造は池の端へ自分の家を構えていて、 以前のような単なる使い走りではありません。 世間並みに高利貸しとして成功しながらも、プライベートでは末造は口やかましい妻にうんざりしてばかりです。 そんな時に末造は大学へ出勤する際に、三味線の稽古をしているお玉の姿を目撃しました。 父親が秋葉原でぼそぼそと飴細工の出店をやっていることも、彼女の母親が既にこの世にいないことも直ちに調べ上げます。 愛人という身分に嫌悪感を覚えながらも、年老いた父が心配なお玉は泣く泣く末造の申し出を受けて無縁坂へ引っ越した次第です。 お手伝いさんから包丁を借りた岡田は蛇を真っ二つにして、 かごの中に飼っていた小鳥を救出します。 この「蛇退治」が、岡田とお玉が急速に親しくなったきっかけです。 お玉は鳥を助けてもらったのを縁に、どうにかして岡田に近寄りたいと思っていました。 より一層疑り深くなった妻の目を盗んでコッソリと通ってくる末造に対しても、いつしかお玉は煩わしさや疎ましい気持ちが沸いてしまいます。 次の日は仕事の都合で末造が1日がかりで千葉県へ行っていて、お手伝いさんにも暇を出していおいたために明日の朝までは誰の邪魔も入ることはありません。 お玉は岡田が家の前を通りかかった際に、彼に勇気を出して声をかけて家の中へ招き入れて自らの思いを伝えるつもりです。 そんなお玉の熱い願いは、鯖の味噌煮と雁によって無残にも打ち砕かれてしまいます。 鯖と雁によってすれ違うふたり その日の上条の賄いは鯖の味噌煮でしたが僕は苦手で食べることができないために、岡田を誘って外食をすることにしました。 不忍池にかかる橋から水面を行き交う雁に石を投げているのは、同じ大学に通う柔道部の石原です。 雁を石で撃ち落とした石原は下宿先で捌いてごちそうしてくれるというために、 僕と岡田は彼の後に続きました。 雁は岡田が外套の下に隠して、残りのふたりが左右を挟む形で無縁坂を通り過ぎます。 家の前で待っていたお玉は、外套の下が異様に膨れ上がってふたりの男に挟まれた岡田に話かけることができませんでした。 留学が決まり、翌年の1881年には火事によって上条が取壊しになってしまいます。 僕は岡田が海外に行った後にお玉と知り合いになりましたが、彼女との仲はそれ以上は進展することはありません。 もしも上条の献立が鯖の味噌煮でなければ、もしも石原の投げた石が雁に当たらなければ。 30年以上たった後でも、 僕はあの日の運命のいたずらをたまに思い出すのでした。 雁 を読んだ読書感想 ストーリーの舞台に設定されている、本郷から上野にかけての街並みや路地裏がノスタルジーに満ちあふれていました。 夕暮れ時に竹のかごを提げて銭湯から帰ってきた時の、お玉の気だるげな目線や後ろ姿には何とも言えない色気があります。 当て所なく辺りを歩き回っていた岡田と、無縁坂で偶然にも鉢合わせするシーンも印象深かったです。 強欲な金貸しの末造に囲われた女性と、モラトリアムな大学生とのつかの間の交流が心に残ります。 お互いへの思いを打ち明ける事がないままで、それぞれの道のりを歩んでいくクライマックスも切ないです。

次の

文豪・森鷗外ゆかりの宿 水月ホテル鷗外荘

森 鴎外

作家別作品リスト:No. 129 作家名: 森 鴎外 作家名読み: もり おうがい ローマ字表記: Mori, Ogai 生年: 1862-02-17 没年: 1922-07-09 人物について: 本名林太郎。 石見国鹿足郡津和野町(現・島根県鹿足郡津和野町)生まれ。 代々津和野藩亀井家の典医の家柄で、鴎外もその影響から第一大学区医学校(現・東大医学部)予科に入学。 そして、両親の意に従い陸軍軍医となる。 1884(明治17)年から5年間ドイツに留学し衛生学などを学ぶ。 「舞姫」「うたかたの記」「文づかひ」「大発見」「ヰタ・セクスアリス」などに、そのドイツ時代の鴎外を見て取ることができる。 その後、陸軍軍医総監へと地位を上り詰めるが、創作への意欲は衰えず、「高瀬舟」「阿部一族」などの代表作を発表する。 「」 [|]• (新字新仮名、作品ID:2595)• (新字新仮名、作品ID:673)• (新字旧仮名、作品ID:2084)• (新字新仮名、作品ID:695)• (新字旧仮名、作品ID:694)• (新字新仮名、作品ID:45270)• (新字旧仮名、作品ID:2298)• (新字新仮名、作品ID:45209)• (新字新仮名、作品ID:48209)• (新字新仮名、作品ID:680)• (旧字旧仮名、作品ID:677)• (新字新仮名、作品ID:678)• (新字新仮名、作品ID:45224)• (旧字旧仮名、作品ID:679)• (新字新仮名、作品ID:1071)• (旧字旧仮名、作品ID:43039)• (新字新仮名、作品ID:43732)• (新字新仮名、作品ID:3615)• (新字新仮名、作品ID:2051)• (旧字旧仮名、作品ID:681)• (新字新仮名、作品ID:1054)• (新字新仮名、作品ID:2597)• (新字新仮名、作品ID:4459)• (旧字旧仮名、作品ID:687)• (新字新仮名、作品ID:45244)• (新字新仮名、作品ID:2547)• (新字新仮名、作品ID:688)• (新字新仮名、作品ID:2598)• (新字新仮名、作品ID:686)• (新字新仮名、作品ID:685)• (新字新仮名、作品ID:689)• (旧字旧仮名、作品ID:674)• (新字新仮名、作品ID:43030)• (旧字旧仮名、作品ID:2080)• (新字新仮名、作品ID:2058)• (旧字旧仮名、作品ID:42352)• (新字新仮名、作品ID:2599)• (新字新仮名、作品ID:690)• (新字旧仮名、作品ID:2081)• (新字新仮名、作品ID:2522)• (新字旧仮名、作品ID:45678)• (旧字旧仮名、作品ID:692)• (新字新仮名、作品ID:45245)• (旧字旧仮名、作品ID:691)• (旧字旧仮名、作品ID:43038)• (新字新仮名、作品ID:46234)• (新字新仮名、作品ID:3336)• (新字旧仮名、作品ID:693)• (新字旧仮名、作品ID:2082)• (新字新仮名、作品ID:3614)• (新字新仮名、作品ID:2049)• (新字新仮名、作品ID:45271)• (新字新仮名、作品ID:42375)• (新字新仮名、作品ID:45618)• (新字旧仮名、作品ID:46633)• (新字旧仮名、作品ID:42226)• (新字新仮名、作品ID:45254)• (旧字旧仮名、作品ID:53026)• (新字新仮名、作品ID:676)• (新字新仮名、作品ID:50910)• (新字新仮名、作品ID:45255)• (新字新仮名、作品ID:675)• (新字新仮名、作品ID:45256)• (新字旧仮名、作品ID:45225)• (旧字旧仮名、作品ID:49250)• (新字新仮名、作品ID:2396)• (新字新仮名、作品ID:55722)• (新字旧仮名、作品ID:2078)• (旧字旧仮名、作品ID:682)• (新字新仮名、作品ID:2083)• (旧字旧仮名、作品ID:59401)• (新字新仮名、作品ID:2050)• (新字旧仮名、作品ID:683)• (新字新仮名、作品ID:50911)• (新字新仮名、作品ID:696)• (新字旧仮名、作品ID:1117)• (新字旧仮名、作品ID:2077)• (新字新仮名、作品ID:2079)• (新字旧仮名、作品ID:684)• (新字新仮名、作品ID:45272)• ヰタ・セクスアリス (新字旧仮名、作品ID:60348)• 雁 (旧字旧仮名、作品ID:53197)• 金貨 (新字旧仮名、作品ID:58982)• 大発見 (新字新仮名、作品ID:46469)• 田楽豆腐 (新字新仮名、作品ID:56527)• 都甲太兵衛 (新字新仮名、作品ID:45696)• 羽鳥千尋 (新字新仮名、作品ID:53035)• 北條霞亭 (旧字旧仮名、作品ID:42760)• 舞姫 (新字新仮名、作品ID:58126)• 魔睡 (新字旧仮名、作品ID:58983) 関連サイト.

次の

【近代文学論争】小説家の坪内逍遥✕森鴎外が大喧嘩した理由とは?【没理想論争】

森 鴎外

森鴎外の作品の魅力を教えてください。 昔、教科書で「舞姫」を読んだときから印象がわるく、学生時代に何作か、代表作とされるものは読んでみたのですが、やはりいまいち好きになれませんでした。 大人になった今、内容をすっかり忘れてしまったこともあり、あらためて読んでみようと考えているのですが…ネットであらすじをななめ見しただけでも魅力を感じられませんでした。 個人的に、夏目漱石や芥川龍之介、内田百閒は好きです。 …が、鴎外になぜだか魅力を感じられません。 そこで質問なのですが、鴎外好きな方、鴎外の作品の魅力・どの作品が好きかについて教えてください! (ちなみに読んだことがあるのは、舞姫、高瀬舟、山椒大夫です。 雁、阿部一族などは未読です) 補足回答ありがとうございます。 たいへん、参考になりました。 いろいろと読んでみたいと思います。 ベストアンサーは迷いましたので、投票にさせていただきました。 1文章の巧みさ ページを開けば一目瞭然、きっちりとした文章。 漢籍の素養が香る文の流れは格調高く、古びない。 ときどき耳になれないドイツ語やフランス語が顔をだすが、あれは当時の知識人の癖だからしかたない。 しかしそれらも含む彼の語彙の豊かさといったら!脱帽だ。 2翻訳 彼の神髄は翻訳にあると思っている。 西洋の思想、文化を体で覚えてきた鴎外は作品の文学性を十二分に理解し、上記に示した格調高い日本語に訳した。 ふつう翻訳は時代が進むごとに「新訳」が次々と生まれ、旧訳は追いやられてしまうが彼の場合は全然違う。 アンデルセンの「即興詩人」ゲーテの「ファウスト」シュニッツラーの作品群なんかは今でも文庫本で入手できる。 100年以上前の翻訳が今でも売られ、通用している。 なんと恐るべきことだろうか。 これからも錆びないだろう。 また「情報」や「飛行機」とかは鴎外の造語であるので日本語学的にも鴎外は重要でもある。 3特異な立ち位置 当時の作家と違っていた一番の点は、彼が軍医であったこと。 だから自然に作品の中で「公」というもの(権力者、上の立場らしい描写)が現れてくる。 (最後の一句とか)社会の醜さを暴こう、権力に切り込もうという文学の流れと正反対だった点は注目する必要がある。 4変遷 文語小説の傑作、ロマン的な「舞姫」そのあと「雁」「青年」と明治らしい青春小説、乃木大将殉死に影響を受けた「高瀬舟」「澁江抽齋」といった歴史小説。 時代の流れに逆らったかのように、西洋から日本へ、新から旧へと対象が変わっていくのが興味深い。 きっと失われていく日本的なものを文学の上でとどめておこうとしたのだろうか。 その作家、芸術家としての鴎外の潔さは文学者の鏡のようでもある。 5貢献 彼は作家として後進の支援もしていた。 「すばる」や「三田文学」に深く関わっている点、彼を抜きにして近代文学を語れないだろう。 樋口一葉や与謝野晶子などを早くから激賞し、支えている。 短歌もたしなんでいたので近代短歌のビッグネームは皆鴎外との関わりがある。 広い影響を当時の文学に与えた偉人である。 三島由紀夫は彼の作品を愛し、尊敬していてので文章を模写して学んでいたらしい。 このように昭和以降にも燦然たる輝きを放ち影響を与え続けている。 だから日本の近現代の作家に彼の影響下にない人物はほとんどいない。 どこかに鴎外の陰があるからどんな作家を研究するにしても、鴎外に関する教養は必至。 それゆえ研究者が多くなるのは必然だと思う。 とりあえず彼が文豪である事実は不滅であるだろうから、日本人なら彼の代表作ぐらい読んでおくべきである 駄文、長文失礼。 森鴎外は理性の人です。 生涯、夏目漱石の狂気に憧れていました。 天才で常識人が文学をやると、あぁなると言う見本のような人です。 そんな彼にも三つの挫折がありました。 一つはエリス事件。 二つ目に脚気の誤診。 最後に嫁と姑の板挟みです。 彼の創作のエネルギーは、生涯それらによって生み出されていました。 また、彼の作品の一つ一つが社会を風刺したり、作品だけでは分からない魅力があるのです。 とりあえず現代人でも分かりやすいのが「ヰタ・セクスアリス」でしょう。 背景が分からなければ面白くないと言うのは一種邪道なのかもしれませんが、逆に言えば、それが分かって読む人にはたまらない魅力があるのです。 普通は駄目なのですが、鴎外に限っては読む前に予備知識を得てから読む事をお薦めします。

次の