核 磁気 共鳴 スペクトル。 薬剤師国家試験 第102回 問99 過去問解説

NMRの化学シフト(ケミカルシフト)・基準物質・電子密度・磁気遮蔽・寄与する効果

核 磁気 共鳴 スペクトル

化学シフト ケミカルシフト とは 核磁気共鳴スペクトルでは、原子の種類によって、一定であるスペクトル線の位置が、その原子の置かれている化学的環境によってシフトする。 これを 化学シフトもしくは ケミカルシフトという。 つまり、化学シフトは、基準となる周波数からの観測核の核磁気共鳴周波数のずれを表す。 ここでいう基準となる周波数とは、基準物質に含まれるある核の周波数である。 化学シフトは で表される場合が多く、単位はppmで表される。 また、分裂線の場合は、その中心の位置がどの程度ずれているかである。 例えば2つに分裂するタブレットならば、2つのピークの位置の中心で考える。 実際の化学シフト の計算式の例としては、次のような式が挙げられる。 例えば、400 MHzのNMR装置で 13C核を測定する場合は、 1H核を100 MHzとしたときの 13C核の共鳴周波数 25. 4 MHz となる。 操作周波数は、核の種類によって大きく異なるため、ある核種を測定しようとすると、他の核種は観測されない場合が多い。 NMRで観測している周波数のずれは非常に小さい。 しかし、このずれである化学シフトは、核の環境によって、決定される。 有機化合物の場合では、分子構造や官能基によって決定される。 NMRスペクトルの横軸 NMRのスペクトルでは、慣例的に横軸において、値が正の方向 一般的に左側 を低磁場もしくは高共鳴周波数という。 反対に値が負の方向 一般的に右側 を高磁場もしくは低共鳴周波数という。 また、0 ppmから離れている場合、化学シフトが大きいという。 化学シフトの範囲 化学シフトの範囲も、核の種類によって、だいたい決まっている。 しかしながら、特に分子にねじれやひずみが生じてる場合や、近くに芳香環やポルフィリン環が存在する場合には、大きな化学シフトが観測されることもある。 化学シフトの基準物質 1Hや 13Cでは、化学シフトの基準物質として、テトラメチルシラン TMS を用い、テトラメチルシランの化学シフトを0 ppmとしている。 テトラメチルシランは 1Hや 13Cを測定する場合に、最も使用される基準物質である。 テトラメチルシランが基準物質として使用される理由としては、沸点が低いためサンプルの回収が容易、大半の有機化合物よりも高磁場側に単一シグナルで表れる、化学的に溶媒の影響を受けないなどの利点があるためである。 ただし、使用する基準物質によっては、基準物質の化学シフトは0 ppmでない場合もある。 化学シフトと電子密度・磁気遮蔽 化学シフトはその核の非常に近くの磁場環境を反映している。 電子の動きは、電流と磁場は相互に関係しているため、磁場環境は電子的環境ともいえる。 よって、化学シフトはその核の電子的環境を反映しているともいうことができる。 一般に、相対的に電子密度の高い原子の核は、高磁場側に現れ、相対的に電子密度の低い原子の核は、低磁場側に現れる。 電子密度の偏りは、結合している原子との相対的な電気陰性度の大小に対応している。 例えば、酸素に結合した水素と炭素に結合した水素を考える。 炭素と酸素では、電気陰性度は酸素の方が大きい。 そのため、酸素に結合した水素が存在する水酸基の水素は、炭素に結合した水素よりも低磁場側にシグナルが現れる。 こういった電子の核への働きは、磁気遮蔽 遮蔽 で説明される。 磁気遮蔽とは、原子核が実際に感じる磁場の強さが、電子が発生する磁場などの影響で外部磁場より弱められる現象である。 この磁気遮蔽が、化学シフトが生じる主な原因である。 磁気遮蔽が強い場合、原子核が実際に感じる磁場は、与えられている外部磁場の強さより弱くなる。 そのため、共鳴周波数は小さくなり、化学シフトが高磁場側に移動する。 また、磁気遮蔽の反対のことを反遮蔽といい、与えられた外部磁場よりも強く磁場を感じることになる。 この場合、低磁場側へのシフトが観測される。 化学シフトへの効果 隣接官能基による磁気異方性効果 カルボニル基やアセチレン、芳香環のような、 電子の大きな電子雲をもつ官能基は外部磁場に対する方向や角度によって、 電子がその影響を受けることで、新たな磁場が誘起される。 その結果、近くの核に大きく遮蔽、反遮蔽を与える。 そのため、これらの官能基との空間的な位置関係次第で化学シフトが通常の予想とは異なる位置に観測されることがある。 この現象を、磁気異方性効果という。 磁気異方性は、外部磁場に対して分子が特定の方向を向いたときには強く働く。 溶液中では、測定した瞬間に、特定の方向に向いている分子は一部の分子のみなので、測定結果としては、あらゆる方向が平均化された結果が表れる。 そのため、理論的な異方性の量よりは、少ない量を観測することになる。 電子軌道の混成の影響 炭素は混成軌道を形成し、二重結合や三重結合などを形成する。 この電子雲の混成によって生じた電子雲の形の変化によって、電子密度や磁気遮蔽への効果が大きく変わる。 混成軌道のs軌道の影響が強い場合には、電子雲全体は炭素核側に寄って、水素核側の電子密度は下がる。 そのため、炭素核に結合している 1H核は、sp混成軌道の方が、sp 2混成軌道よりも低磁場側へシフトすると推定できる。 しかしながら、実際には、sp混成軌道のアセチレンの 1H核は、sp 2混成軌道のエチレンの 1H核よりも高磁場側で観測される。 これは、磁気異方性効果による遮蔽の寄与が大きいためである。 置換基効果 置換基の、電子求引性の度合いや電子供与性の度合いによって、結合している原子の電子密度に大きく影響を与え、化学シフトを大きく変える。 置換基が電子求引性の場合、結合している原子の電子密度は下がり、化学シフトは低磁場側に移動する。 置換基が電子供与性の場合は逆に、結合している原子の電子密度が上がり、化学シフトは高磁場側に移動する。 例えば、ニトロ基 -NO 2 は電子求引性であるため、ニトロ基が結合した炭素核 13C NMRシグナルは、水素核が結合したものよりも低磁場へシフトする。 また、ジメチルアミノ基 -NMe 2 は電子供与性であるため、ジメチルアミノ基が結合した炭素核 13C NMRシグナルは、水素核が結合したものより高磁場側へシフトする。 また、ベンゼンや芳香族化合物の置換基効果は、反応性に関する直線自由エネルギー関係則に関係づけて、予測が行われる。 立体的効果 van der Waals効果 立体的効果は、電子雲どうしの空間的な接近によって起こる。 電子雲どうしの接近によって、電子雲の形が歪み、反遮蔽効果が加わることで、低磁場側へシフトが起こることが多い。 共役系での効果 メソメリー効果 共役が起こる不飽和結合や置換基上の非共有電子対の存在は遮蔽、反遮蔽効果を引き起こし、化学シフトを変化させる。 特にベンゼン環でのメソメリー効果や、カルボニル基と共役する二重結合で見られる。 アニリンにように、非共有電子対をもつアミノ置換基がある場合、ベンゼン環の炭素上では、 電子の非局在化が起きる。 その結果、電子密度の高くなった炭素核は遮蔽効果が高まり、高磁場側へのシフトが起こる。 反対に、電子求引性の共鳴置換基で置換すると、電子密度の低い炭素が生じることで、反遮蔽効果が増し、低磁場側へのシフトが起こる。 同様に、共鳴構造の存在する -不飽和カルボニル基では、カルボニル炭素上の部分正電荷が非局在化するために、共鳴構造のないカルボニル炭素と比較すると、高磁場側へのシフトがみられる。 重原子効果・同位体効果 ハロゲン元素などの重原子や、 2Hなどの重い同位体は 13C核を遮蔽し、高磁場側へのシフトを起こす。 例えば、-Brや-I置換基が結合している 13Cの化学シフトは-Hや-Clなどの置換基が結合している場合よりも、大きく高磁場側にシフトする。 水素結合の効果 水素結合は、一般的に電子の非局在化を起こす。 そのため、水素結合をした原子の隣の原子は電子密度が下がり、反遮蔽によって低磁場側へシフトする。 特に分子内で水素結合をもつ分子の場合、水素結合が無いものよりも低磁場側へのシフトが観測されることが多い。 分子間での水素結合の場合は、水素結合の度合いは、濃度や溶媒によって大きく異なる。 水素結合を作りやすい極性溶媒中では、大きな低磁場側へのシフトが観測される。 syerox.

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核 磁気 共鳴 スペクトル

核磁気共鳴(NMR)の基礎 現在、NMR法は有機化合物の構造決定において広く利用されている方法である。 NMR法では構成原子の水素と炭素の構造上の情報を与えてくれる。 NMRは吸収スペクトルである。 NMRにはラジオ波が使用されており、原子核のスピン状態を測定している。 測定の対象としては 1Hと 13Cがある。 ただし、質量数2の水素 2H などのほかの原子の測定も可能である。 NMRは水素や炭素上の微妙な違いを測定する。 横軸の単位には ppm を用いる。 ゼーマン分裂 ただ単に原子核にラジオ波を照射しても変化はない。 変化を見るには磁場におく必要があり、核に磁場が与えられると二つのエネルギー順位に分裂する。 これを ゼーマン分裂という。 この説明だけでは「ゼーマン分裂」の意味がさっぱり分からないと思うので、以下にゼーマン分裂をきちんと説明しようと思う。 まず、一つの軌道に存在する電子は二つの自転状態を取ることが可能である。 磁場がない状態ではこの二つの状態は同じエネルギーである。 しかし、ここに磁場をかけると二つの状態にエネルギーの差ができるのである。 それでは、なぜ磁場をかけることでこのようなエネルギーの差がでるのだろうか。 電子は電荷をもっており、この電子は回転している。 電荷をもつ物質が回転すると磁力が生じるはずである。 つまり、電子は小さな磁石 S極、N極が存在 なのである。 ここに磁場がかかれば、小さな磁石である電子はエネルギーに差が出てしまう。 このようにゼーマン分裂やスピンを扱う場合には「場」が重要になってくる。 例えば、ヒトが普通に立っている場合と逆立ちしている場合では、逆立ちしている場合の方がエネルギーが高いはずである。 しかし、宇宙空間では上下という概念が存在しない。 つまり、上下でエネルギーに差がない。 これは、宇宙には「重力」という場が存在しないためであり、これが地球であると上下でエネルギーに差が出てしまう。 これは電子にも同じことが言える。 磁場が存在しなければ、二つの状態にエネルギー差はない。 しかし、磁場が存在すれば状態が異なる二つにはエネルギーに差がでてしまう。 また、地球と月では月の方が上下のエネルギーの差が小さいはずである。 これは月の方が重力が小さいためである。 同じように、磁場の強さが強いほど分裂の度合いも大きくなる。 核スピンは通常、低いエネルギー状態をとっている。 しかし、エネルギー差と等しいラジオ波が照射されると、吸収してエネルギーが高い状態に移動する。 NMRの原理 1H-NMR ここでは 1H-NMRについて説明する。 まず、NMRとはプロトンの周りの電子密度を測定する機械である。 何もしていない状態の分子は個々の原子でさまざまなエネルギー状態をとっている。 ベクトルで表すと、下 左図 のようにいろいろな方向を向いているのである。 そして、この状態の分子を大きな磁石の中に入れると、上 右図 のように二つの状態のエネルギーに分かれる。 このとき、低エネルギーと高エネルギーの状態が存在する。 当然、低エネルギー状態をとる場合の方が多い。 ここで外部エネルギーを与えると、下の図のように全て高エネルギー状態にさせる点が存在するはずである。 なお、 ピークが表れるのは外部エネルギーを与えて、「全て高エネルギー状態」になったときである。 高エネルギー状態となった後は、エネルギーを放出してもとの状態に戻る。 このとき、NMRは外部エネルギー量かエネルギー放出量のどちらかを測定する。 つまり、NMRには「与えた外部エネルギー量で判断するもの」と「放出されたエネルギー量を判断するもの」の二種類がある。 ・電子密度によるスペクトルの違い そもそも、測定したいプロトンはどれも同じ 1Hであるため、どれも性質は同じである。 しかし電子密度は異なっており、NMRはこの電子密度の差を見極める。 例えば、プロトンに「10」の外部エネルギーを与えると高エネルギー状態となり、スペクトルが観測されるとする。 このとき、プロトンの周りには電子が存在しており、この電子が外部磁場を遮断してしまう。 すなわち、 「電子がバリアーとして働く」と考えればよい。 つまり「10」の外部エネルギーを与えても、このバリアーがあるためスペクトルは観測されないのである。 もし、電子のバリアーが「2」のエネルギー分だけ防御するのであれば、「12」の外部エネルギーを与えるとスペクトルが観測される。 そして、このバリアーの強さは電子密度によって異なる。 当然、電子密度が大きければ、電子によるバリアーの影響は大きくなる。 電子密度が小さいほど低磁場でスペクトルが観測され、電子密度が高いほど高磁場でスペクトルが観測される。 例として、「CH 3CH 2CH 2OH プロパノール 」を下の図のようにそれぞれの炭素原子,酸素原子に番号をつけて説明したいと思う。 このとき、2番のプロトンと3番のプロトンではどちらが低磁場に表れるであろうか。 2番の炭素原子の隣にはメチルがあり、電子を押し出されている状態である。 そのため、電子密度が高い。 それに対し、3番の炭素原子の隣にはO 酸素原子 があるため、電子を引っ張られている状態である。 つまり、電子密度が低い。 このように考えると、電子のバリアーが弱い 電子密度の低い 3番の炭素原子のプロトンの方が低磁場側に表れることが分かる。 このように電子密度を考えると、どのプロトンが低磁場側 or高磁場側 に表れるかを予測することができる。 例えば、プロパノールの場合では下のようになると予想できる。 ・磁気遮へいと化学シフト 水素がラジオ波を吸収するとしても、すべての水素が同じような吸収をしたのでは構造解析はできない。 しかし、実際には水素によってラジオ波の吸収が異なっている。 これはそれぞれの核を取り巻く電子の環境が異なるからである。 核の周辺に外部磁場がかかったとき、回転している電子はそれ自身の微少磁場を利用して外部磁場を弱めるように働く。 そのため核に影響する磁場は弱くなり、共鳴周波数は小さくなる。 この現象を 磁気遮へい効果という。 磁気遮へいの程度は水素の置かれた環境によって異なる。 そこで、基準物質からどれくらい差があるかを表すのが 化学シフトである。 この基準物質には有機化合物の中で磁気遮へい効果が最も大きい テトラメチルシラン TMS が用いられる。 ・ カップリング 非等価な場合 カップリングとは隣の炭素にある水素の情報を表したものである。 ある炭素にプロトンが結合している場合、そのプロトンのスペクトルは一本のシグナルとして観測される。 しかし、隣の炭素にプロトンが結合していると、そのプロトンの影響を受けてしまうのである。 もし隣の炭素にHが一つあるなら、共鳴線は二重線として表れる。 例えば、それぞれ下のようなA,Bの構造の分子があるとする。 Aの分子で Hに注目した場合、隣の炭素にプロトン H が一つ結合していることが分かる。 プロトンは一つのピークを二つのピークに分ける性質がある。 そのため、二重線として観測される。 また、Bの分子の Hに注目した場合、隣の炭素に結合しているプロトンは Hと Hの二つである。 一つ目のプロトンは一本の線を二重線にする。 また二つ目のプロトンは、二重線をさらに二つずつに分けるので四重線にする。 つまり、四重線のピークで表れるのである。 隣の炭素にあるプロトンの数をnとすると、 2 nの本数に分裂してスペクトルが観測される。 これがカップリングの基本である。 ・プロトンが等価な場合のカップリング 先ほど説明したカップリングには例外がある。 前述のカップリングは、「 Hと Hが等価でない 性質が同じでない 」という条件がある。 そして、もし Hと Hが等価であるなら分裂する本数は異なってくる。 「プロトンが等価な場合のカップリング」を説明する前に、覚えてもらいたいものがある。 それは、 J値 カップリングコンシスタント:結合乗数 である。 J値は分裂したシグナル間の距離であり、Hz ヘルツ で表す。 「等価な場合のカップリング」を、前述の「カップリング 非等価な場合 」で説明したA,Bの分子で説明しようと思う。 なお、プロトンは全て等価である。 Aの分子で Hに注目した場合、スペクトルは二重線で表れる。 このときのJ値を12Hzとする。 Bの分子で Hに注目した場合、隣の炭素に二つの等価なプロトン Hと H が結合していることが分かる。 二つとも同じ性質であるため、 二重線は同じJ値 ここでは12Hz で二つずつに分かれるはずである。 同じJ値で分かれるため、真ん中で二つのシグナルが重なってしまう。 このため、スペクトルは4本ではなく、3本で出る。 また、重なっているので1:2:1の面積比となる。 このようにプロトンが等価な場合、隣の炭素にあるプロトンの数をnとすると、 n 1の本数に分裂してスペクトルが観測される。 ・積分比 積分比とは、つまり面積比のことである。 ここでの積分比の説明は、プロトンが等価な場合を考える 隣の炭素にHが一つあるなら、そのHのスピンの状態には の二種類がある。 つまり、二重線で表れる。 隣の炭素にHが二つある場合、スピンの状態は の四種類がある。 ただし、 はエネルギー的に同じであるため面積比が1:2:1の三重線として表れる。 同じように隣の炭素にHが三つある場合を考えると、下のように面積比が1:3:3:1の四重線として表れる。 積分比で何が分かるかというと、プロトン比が求まるのである。 なお、 プロトンの数ではなくてプロトンの比であることに注意しないといけない。 また、それぞれ一本のピークをシングレット s 、二重線をダブレット d 、三重線をトリプレット t 、四重線をカルテット q という。 ただし、1:2:1の面積比をもつ場合のみをトリプレットといい、1:3:3:1の面積比をもつ場合のみをカルテットという。 デカップリング デカップリングとは、カップリングをなくしてしまうことである。 カップリングしなくなるので、ピークは必ずシングレットで表れる。 NMRの装置には、「与えた外部エネルギー量で判断するもの」と「エネルギー放出量を判断するもの」の二種類があると述べた。 ここでは、分かりやすいように後者のNMR装置の場合で説明する。 外部エネルギーを与えると、ある特定の値でスペクトルを観測することができる。 このときの電子は高エネルギー状態にある。 高エネルギー状態から、通常の低エネルギー状態に移行するときにエネルギーを出す。 この放出されるエネルギーをNMRで測定するのだが、エネルギーを放出されないようにすればNMRで測定されないはずである。 ケミカルシフト 化学シフト するエネルギーを与え続けていれば、高エネルギー状態が永遠と続いてしまう。 つまり、エネルギーは放出されない。 エネルギーが放出されないのでNMRで測定されないのである。 ところで、下のような構造式をもつ分子があるとする。 Hに注目すると、となりの炭素にあるプロトンは Hだけであることが分かる。 つまり、ダブレットのピークが観測される。 デカップリングでは、通常ではダブレットでピークが出るのを、無理やりシングレットのピークにしてしまうのである。 トリプレットやカルテットなどのピークもシングレットとなる 隣の炭素に Hがあるためダブレットになるのだから、 Hの影響がでないようにしてやればシングレットとなる。 Hのピークをシングレットにするためには、 Hがケミカルシフト 化学シフト するエネルギーを照射し続けながら測定すればよい。 これによって Hの影響がなくなり、カップリングしなくなる。 なお、「与えた外部エネルギー量」で判断するNMRの場合でもデカップリングは可能である。 それでは、デカップリングをすることでどんな良いことがあるのだろうか。 これには、「カップリングしているために複雑になっているピークを分かりやすくする」という効果がある。 例えば、「CH 3-CH 2- CH 2- CH 2-CH 2-OH ペンタノール 」があるとする。 赤色をつけたプロトンは性質が似ており、ピークを見てもどちらかが分かりにくい。 なお、プロトンは等価であり、両方とも隣の炭素にあるプロトン数は4であるため、ピークは5本に分かれて出る。 このとき、「CH 3- CH 2- CH 2-CH 2-CH 2-OH」の 緑で示したプロトンをデカップリングによってカップリングさせないようにすると、 青色で示したプロトンのピークは隣の炭素にあるプロトン数が見かけ上2となるため、3本のピークで表れる。 このように、デカップリングによってどのプロトンによるピークかを簡単に見分けることができる。 13C-NMR 12CはNMRで測定できないが、 13CはNMRによって測定可能である。 プロトンは 13Cの影響を考えなくてもよいが、 13Cはプロトンの影響を考えないといけない。 また、 13Cの存在比は約1%であり、自然界に少ない。 そのため、感度が低いのである。 プロトンでの化学シフトは約10ppmの値までである。 しかし、 13Cの化学シフトの値は200ppmまでと、プロトンの化学シフトと比べてとても範囲が広い。 このような理由があるため、たとえ同じ機械で測定したとしても 1Hと 13Cのスペクトルが重なることはない。

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1級アルカン 「0. 2」 2。。。 2級アルカン「1. 2」 3。。。 3級アルカン「1. 2」 歩き。。。 アルキン「1. 3」 果。。。。 ハロアルカン「2. 2」 てる。。。 エー テル( アルコール)「3. アル ケン「5. 8」 康。。。。 芳 香族「6.5~7. 0」 歩。。。 アルデヒド「9. 2」 き。。。。 カルボン酸「9~12」 これにプラスして「1,2,3、6、9、12」という数を覚えます。 (3の倍数と1,2で覚えて) これらは化学シフトの値を表しています。 この二つを組み合わせて図にすると忘れにくいと思います。 と、大体こんな感じで収まります。 ぶっちゃけアルカン~芳香族まで覚えてれば問題ないと思います。 アルデヒド、カルボン酸はいらない。。。 かも 特に芳香族の化学シフトは超重要なので必ず覚えて。 (わかりやすさ優先なのでやや実際と異なる点がありますが国家試験には十分かと) プロトンにラジオ波を当てるとなぜかプロトンのタイプが変わる。 障害がある場合、障害を突破できるくらいのラジオ波が必要。 (周波数は大きいほどエネルギーが高い。 電子はご存じの通り、プロトンの周りをまわっています。 それらがプロトンにラジオ波が当たるのを邪魔している。 まとめる?と 水素(プロトン)の周りの障害(電子)が少なければ、弱いラジオ波(周波数が小さい)でも変化(化学シフト)する という感じ で、 化学シフトの値(ppmであらわす)だが、周波数とppmは反比例してなんとなく違和感あると思ますがしっかり覚えましょう。 狙われやすいかと思います。 忘れないために 化学シフトの言葉の意味を考えるとppmは化学シフト(プロトンの変化)のしやすさを示しています。 値が大きいほど化学シフトしやすい。 値が小さいほど化学シフトしにくい。 ととらえると理解しやすいと思います。

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