山崎 賢人 劇場。 山崎賢人主演「劇場」7月17日から公開&Amazon Prime Videoで全世界独占配信開始! : 映画ニュース

山崎賢人×松岡茉優、哀愁漂う『劇場』ポスター公開 伊藤沙莉&浅香航大らも出演

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映画『キングダム』 19 や『ヲタクに恋は難しい』 20 、テレビドラマ「グッド・ドクター」などの近作を観てもわかるが、役柄に対して真摯なアプローチをし、常に結果を出してきた人俳優、山崎賢人。 最新主演映画は、お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹による恋愛小説を映画化した『劇場』 公開中、Amazon Prime Videoで全世界独占配信中 で、役者としてまた新たな扉を開いた。 初タッグを組んだ2人に、本作の撮影秘話を聞いた。 理想と現実とのギャップにもがきながら、劇作家を目指す主人公の永田役を山崎が、彼と恋に落ち、献身的に彼を支えようとするヒロインの沙希役を、『蜜蜂と遠雷』 19 の松岡茉優が演じた。 本作では、互いに夢を持って上京した2人が出会い、肩を寄せ合って生活していくなかで、次第に葛藤していく7年間が丁寧に描かれる。 行定監督と言えば、『世界の中心で、愛をさけぶ』 04 や『ナラタージュ』 17 など、時代を彩るラブストーリーを手掛けてきたが、今回も山崎たちと共に、令和に輝く珠玉の1本を放つ。 三島由紀夫の同名小説を妻夫木聡と竹内結子で映画化した『春の雪』 05 の取材時にも感じたことだが、行定監督は、もともと純文学への造詣が深い。 「永田と沙希の恋には、決してわかりやすい障害があったわけではない。 お互いに本当の気持ちが言えなかったり、相手の気持ちを受け止められなかったりと、内面的な行き違いから、少しずつこじれていきます。 心情的な部分で言えば、いわゆる純文学です。 映画は基本的にエンタテインメントですが、娯楽的な要素に加え、僕としてはもう少し芸術的な側面も表現したかった。 今回、純文学を映画化するという意味で言えば、主演となる俳優には、この映画を世の中に広める役割をしてくれる人がいいなと思いました」。 人気と実力を兼ね備えた山崎は、すでにその時点で申し分がないと言えるが、キャスティングではもう一段階「いままで永田のような役をやっていない人」というふるいがかけられた。 「プロデューサーから『山崎賢人はどうだろう?』という話が出た時、なるほど新鮮かもしれないと思いました。 山崎は、数々の恋愛映画に出演してきたけど、そのイメージをいい意味で裏切る、と言うとおこがましいけど、彼が培ってきたものとは違うなにかを打ちだしてくれるのではないかと思いました。 それで、彼のプロフィール写真にヒゲを描いてみたら、似合うなと感じたんです。 ヒゲを生やせば、相当色気も出てくるし、ちょっと大人びた感じになる。 山崎が演じることで永田の可能性がまた、違うところで広がっていくなと思いました」。 山崎は「確かに、最初に監督とヒゲの話をしました」と笑う。 「行定監督から、お話をいただいたのは今回が初めてでした。 そこから、脚本を読ませてもらったら、めちゃくちゃおもしろいと思いました。 僕は永田の人物像にすごく共感できたんです。 なにかを表現をするという意味では、僕がやっている俳優業も同じですし、誰かに嫉妬心を抱いたりもします。 また、沙希から自分にとって都合の悪い話をされると、話をそらして逃げるところや、沙希に対してイラッとしてしまう感じも、僕はすごくわかるなと思いました」。 舞台挨拶や記者会見、バラエティ番組での番宣などで見ると、いつも穏やかな笑顔と空気をまとっている山崎。 「僕もこの仕事をしていて、心に余裕がない時に、周りの人を傷つけるようなことを言ったり、冷たい態度を取ってしまうことがあります。 もちろん、そういうことは良くないとも思いますが。 劇中で永田が原付を乗り回して、沙希を無視するシーンもなんかわかるなと思ってしまいました」。 原付は、沙希が男性から譲り受けたものだったが、永田は沙希の前で原付を乗り回し、沙希をそのまま置いて帰ってしまう。 行定監督は「そこをわかるのはヤバイね」とうれしそうに笑いを漏らすと、山崎は「そう思っちゃったんです。 僕が変なんですかね?」と苦笑いする。 行定監督は「いや、あのシーンはさておき、相手に対してイライラをぶつけちゃうというのは、僕もすごくわかります」と同意する。 ほかにも、沙希が男性からのもらいものだというジャンパーを着ているのを見て、永田が「なに?そのジャンパー」とヤキモチを焼くシーンも、おおいにうなずけたという山崎。 「ああいうふうに言いたくなってしまう感じも、よくわかるんです。 でも、そういう永田の弱さや人間らしい部分を、僕は魅力的だなと感じたので、そこをしっかり演じたいなと思いました」。 行定監督は「永田って、本来はものすごく純粋で弱くてどうしようもないヤツ」としたうえで「なのにわざと悪ぶってる。 そのどうしようもなさが、今回描くうえで、ものすごく大きなテーマでした」と言う。 「それは又吉さんの原作にも、ちゃんと書かれていたので、そのどうしようもなさの具体例を、映画化して世に残したいと思いました。 そして、山崎もそこをちゃんとわかってくれていたんです」。 「家賃については、払えるほうが払えばいい。 ただ、永田も素直に『払えない』と言えばいいのに言わないし、その話題になると話をそらすので、人間が小さいなとは思います。 ただ、それって相手との距離感の問題なのかなと。 永田は沙希に対して、自分がどう思われてもいいという距離感にいて、沙希に対して子どものように甘えている。 本来なら、不安で仕方がないのに、包容力を無理やり持たされてしまう。 だいたい永田が『沙希は俺に甘い』と言っていること自体が甘えです。 ただ僕は、その関係を最低とは思わないです」。 山崎も「きっと永田は、自分が最低であることをあまりわかっていないのかもしれない」と捉えた。 「沙希ちゃんだけが唯一自分を肯定してくれる人であり、沙希ちゃんといるあの部屋だけが、そういう場所だったんだろうなと。 永田はこれくらいのわがままを言っても、沙希ちゃんだったらきっと許してくれるだろうと思い、どんどんエスカレートしていってしまう。 それで、本当に突き放されそうだと感じた時は、ふざけて逃げるんです。 良くないことだなと思いながらもやっていたのでしょうね」。 本作では、アーティストであるKing Gnuの井口理が、永田と同い年の劇作家、小峰役に扮しているのもキャスティングの妙だ。 永田が主宰する劇団「おろか」は鳴かず飛ばずだが、小峰が主宰する劇団「まだ死んでないよ」は、高く評価されていく。 やがて永田は小峰に対する嫉妬心をむきだしにする。 山崎は、永田と小峰の両方に共感できたそうだが、演じるうえで永田像を掘り下げていった。 「こういう嫉妬心は、誰にでもあるものだと思います。 やっぱり仕事が上手くいっていようがいまいが、小峰のような存在の人は常にいると思うんです。 でも、本作の取材で永田に共感できると言うと、『え~!? 』と言われたりします 笑。 周りの評価と、自分の考える評価は違うものですし、そういうなかでの葛藤みたいなものは、昔から僕のなかにもありました」。 行定監督は、山崎が言う葛藤について「その根本にあるのは、たぶん人からの評価なんじゃないかと」と捉えている。 「山崎は、すでにある部分で俳優としての地位を確立しています。 だからこそ、永田みたい役をやると『意外性がある』とみんなが思うわけで。 ただ、それも一つの評価です。 山崎は、成功している俳優ではあるかもしれないけど、山崎自身が自分に下す評価という部分では、決して成功しているわけではないのかもしれない。 というか、夢をつかんだ人間に見える人ほど、自分はまだ夢なんてつかんでいないと思っている。 そして小峰みたいな対象は、常にいるはずなんです」。 『パラサイト 半地下の家族』 公開中 で第92回アカデミー賞を制したポン・ジュノ監督も本作を絶賛しているということで、『劇場』はすでに海外での評価も高い行定監督の最新作として、これまでにない広がりを見せてくれそうな予感。 本作では、シーンが切り替わる際に暗転したり、観る者が実際に劇場に座って役者の芝居を観ているような構図で撮られたシーンがあったりして、演出の妙味が感じられる。 そして最後に『劇場』というタイトルを目にした時、永田と沙希が紡いだ確かな愛が走馬灯のように押し寄せるという造りも完璧だ。 本作では特に、山崎と松岡が織りなすラストシーンが白眉で、原作者の又吉自身をもうならせた。 思えばこのインタビュー取材を行ったのは2月上旬で、まさか新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界規模で起こることなど、想像もしていなかった。 この数か月で、日常生活はもちろん、映画業界も激変したのは言うまでもない。 だから最後は、3月25日のコロナ禍において、無観客の完成披露イベントを行った際に、山崎賢人が放った言葉で締めくくりたい。 「『劇場』は観終わったあと、大切な人を思い浮かべるような映画になっていると思います。 自分が生きていくなかで、上手くいかないことってたくさんあると思いますが、そういうことも、最後にはいい方向へ向かっていくんじゃないかと思えるような作品になったのではないかと。 無観客でイベントを開催してみて お客さんのいない劇場は寂しいんだなと思いました。 やはりお客さんに観てもらってこそ、作品は成立すると改めて思いましたので、その魅力を伝えていけるように、頑張りたいと思います」。

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山崎賢人主演の映画「劇場」での長髪・ひげ姿に歓喜の声!【予告映像】|健康美人になれるトレンド情報局

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『』の興行収入56憶円超えの大ヒットも記憶に新しい山崎は、ひげを生やし、演劇に身も心も捧げながら、実生活では社会や周囲の人々とうまく協調できない不器用な青年・永田という役に挑む。 山崎は「自分にとってとても挑戦的な作品でしたが、以前からご一緒したかった行定監督のもと、今しか出せない自分のものを全部出せているのではないかと感じています」とコメントしている。 ヒロインは松岡茉優 沙希役の松岡は「永田と沙希について、撮影中何度も(山崎と)2人で話し合いました。 2人とも脚本に心底惚れており、意見が違ったことはありませんでした」と振り返っている。 撮影は6月初旬から始まり、演劇の聖地・下北沢を中心に都内で行われている。 自分にとってとても挑戦的な作品でしたが、以前からご一緒したかった行定監督のもと、今しか出せない自分のものを全部出せているのではないかと感じています。 撮影を通して、とても魅力的な原作にさらに映画としての魅力を盛り込んだ作品になるのではないかと思っています。 同い年の山崎賢人君とは実は昔共演しているのですが、直接一緒にお芝居するのは初めてです。 永田と沙希について、撮影中何度も2人で話し合いました。 2人とも脚本に心底惚れており、意見が違ったことはありませんでした。 とても繊細な本で、私たちの演じ方が変わってしまうと、話の到着すら変わってしまいそうで。 行定勲監督が若い私たちを導いてくれました。 全国の恋する、愛する、はたまた情で離れられなかったり、何かのきっかけを失っているパートナーたちが救われる映画になると思います。 完成を楽しみにしていてください。 私は又吉さんが書いた主人公がまとう空気をどうしても撮りたくなった。 ザラザラとした、夜が明ける頃に感じる切なくて淋しい空気を。 下北沢、渋谷、井の頭公園、そこかしこで錆つきそうな青春が吹き溜まっている。 山崎賢人と松岡茉優という稀代の若く鋭い感性とともに、自戒を込めてどうしようもない男と女の在り方を映画として映し出せたらと思います。 恋愛小説と呼べるものになっているかすらもわかりません。 ただ、若くて未熟な2人がともに過ごしたどうしようもない時間を必死で書いているうちに、作家のわずかな能力を超えて濃密な風景が幸運にも立ち上がったと感じています。 ちょっと表現まわりくどいですか? 「こいつなに一丁前に作家ぶっとんねん」と思いました? でも、本心なんです。 それくらい自分にとって、大事な作品です。 信頼している行定勲監督、そして山崎賢人さん、松岡茉優さんをはじめ、魅力的な俳優陣によって映像になることを嬉しく思っています。 普通、原作者はシンプルな言葉で感謝を綴るくらいが丁度いいと思うのですが、思わず長文になってしまい恥ずかしいです。 そして、言い訳しているせいで、より長くなってしまいました。 すみません。 絶対観に行きます!.

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行定監督、山崎賢人主演の映画『劇場』に込めた意味(ネタバレ編)/関西/芸能/デイリースポーツ online

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映画『キングダム』 19 や『ヲタクに恋は難しい』 20 、テレビドラマ「グッド・ドクター」などの近作を観てもわかるが、役柄に対して真摯なアプローチをし、常に結果を出してきた人俳優、山崎賢人。 最新主演映画は、お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹による恋愛小説を映画化した『劇場』 公開中、Amazon Prime Videoで全世界独占配信中 で、役者としてまた新たな扉を開いた。 初タッグを組んだ2人に、本作の撮影秘話を聞いた。 理想と現実とのギャップにもがきながら、劇作家を目指す主人公の永田役を山崎が、彼と恋に落ち、献身的に彼を支えようとするヒロインの沙希役を、『蜜蜂と遠雷』 19 の松岡茉優が演じた。 本作では、互いに夢を持って上京した2人が出会い、肩を寄せ合って生活していくなかで、次第に葛藤していく7年間が丁寧に描かれる。 行定監督と言えば、『世界の中心で、愛をさけぶ』 04 や『ナラタージュ』 17 など、時代を彩るラブストーリーを手掛けてきたが、今回も山崎たちと共に、令和に輝く珠玉の1本を放つ。 三島由紀夫の同名小説を妻夫木聡と竹内結子で映画化した『春の雪』 05 の取材時にも感じたことだが、行定監督は、もともと純文学への造詣が深い。 「永田と沙希の恋には、決してわかりやすい障害があったわけではない。 お互いに本当の気持ちが言えなかったり、相手の気持ちを受け止められなかったりと、内面的な行き違いから、少しずつこじれていきます。 心情的な部分で言えば、いわゆる純文学です。 映画は基本的にエンタテインメントですが、娯楽的な要素に加え、僕としてはもう少し芸術的な側面も表現したかった。 今回、純文学を映画化するという意味で言えば、主演となる俳優には、この映画を世の中に広める役割をしてくれる人がいいなと思いました」。 人気と実力を兼ね備えた山崎は、すでにその時点で申し分がないと言えるが、キャスティングではもう一段階「いままで永田のような役をやっていない人」というふるいがかけられた。 「プロデューサーから『山崎賢人はどうだろう?』という話が出た時、なるほど新鮮かもしれないと思いました。 山崎は、数々の恋愛映画に出演してきたけど、そのイメージをいい意味で裏切る、と言うとおこがましいけど、彼が培ってきたものとは違うなにかを打ちだしてくれるのではないかと思いました。 それで、彼のプロフィール写真にヒゲを描いてみたら、似合うなと感じたんです。 ヒゲを生やせば、相当色気も出てくるし、ちょっと大人びた感じになる。 山崎が演じることで永田の可能性がまた、違うところで広がっていくなと思いました」。 山崎は「確かに、最初に監督とヒゲの話をしました」と笑う。 「行定監督から、お話をいただいたのは今回が初めてでした。 そこから、脚本を読ませてもらったら、めちゃくちゃおもしろいと思いました。 僕は永田の人物像にすごく共感できたんです。 なにかを表現をするという意味では、僕がやっている俳優業も同じですし、誰かに嫉妬心を抱いたりもします。 また、沙希から自分にとって都合の悪い話をされると、話をそらして逃げるところや、沙希に対してイラッとしてしまう感じも、僕はすごくわかるなと思いました」。 舞台挨拶や記者会見、バラエティ番組での番宣などで見ると、いつも穏やかな笑顔と空気をまとっている山崎。 「僕もこの仕事をしていて、心に余裕がない時に、周りの人を傷つけるようなことを言ったり、冷たい態度を取ってしまうことがあります。 もちろん、そういうことは良くないとも思いますが。 劇中で永田が原付を乗り回して、沙希を無視するシーンもなんかわかるなと思ってしまいました」。 原付は、沙希が男性から譲り受けたものだったが、永田は沙希の前で原付を乗り回し、沙希をそのまま置いて帰ってしまう。 行定監督は「そこをわかるのはヤバイね」とうれしそうに笑いを漏らすと、山崎は「そう思っちゃったんです。 僕が変なんですかね?」と苦笑いする。 行定監督は「いや、あのシーンはさておき、相手に対してイライラをぶつけちゃうというのは、僕もすごくわかります」と同意する。 ほかにも、沙希が男性からのもらいものだというジャンパーを着ているのを見て、永田が「なに?そのジャンパー」とヤキモチを焼くシーンも、おおいにうなずけたという山崎。 「ああいうふうに言いたくなってしまう感じも、よくわかるんです。 でも、そういう永田の弱さや人間らしい部分を、僕は魅力的だなと感じたので、そこをしっかり演じたいなと思いました」。 行定監督は「永田って、本来はものすごく純粋で弱くてどうしようもないヤツ」としたうえで「なのにわざと悪ぶってる。 そのどうしようもなさが、今回描くうえで、ものすごく大きなテーマでした」と言う。 「それは又吉さんの原作にも、ちゃんと書かれていたので、そのどうしようもなさの具体例を、映画化して世に残したいと思いました。 そして、山崎もそこをちゃんとわかってくれていたんです」。 「家賃については、払えるほうが払えばいい。 ただ、永田も素直に『払えない』と言えばいいのに言わないし、その話題になると話をそらすので、人間が小さいなとは思います。 ただ、それって相手との距離感の問題なのかなと。 永田は沙希に対して、自分がどう思われてもいいという距離感にいて、沙希に対して子どものように甘えている。 本来なら、不安で仕方がないのに、包容力を無理やり持たされてしまう。 だいたい永田が『沙希は俺に甘い』と言っていること自体が甘えです。 ただ僕は、その関係を最低とは思わないです」。 山崎も「きっと永田は、自分が最低であることをあまりわかっていないのかもしれない」と捉えた。 「沙希ちゃんだけが唯一自分を肯定してくれる人であり、沙希ちゃんといるあの部屋だけが、そういう場所だったんだろうなと。 永田はこれくらいのわがままを言っても、沙希ちゃんだったらきっと許してくれるだろうと思い、どんどんエスカレートしていってしまう。 それで、本当に突き放されそうだと感じた時は、ふざけて逃げるんです。 良くないことだなと思いながらもやっていたのでしょうね」。 本作では、アーティストであるKing Gnuの井口理が、永田と同い年の劇作家、小峰役に扮しているのもキャスティングの妙だ。 永田が主宰する劇団「おろか」は鳴かず飛ばずだが、小峰が主宰する劇団「まだ死んでないよ」は、高く評価されていく。 やがて永田は小峰に対する嫉妬心をむきだしにする。 山崎は、永田と小峰の両方に共感できたそうだが、演じるうえで永田像を掘り下げていった。 「こういう嫉妬心は、誰にでもあるものだと思います。 やっぱり仕事が上手くいっていようがいまいが、小峰のような存在の人は常にいると思うんです。 でも、本作の取材で永田に共感できると言うと、『え~!? 』と言われたりします 笑。 周りの評価と、自分の考える評価は違うものですし、そういうなかでの葛藤みたいなものは、昔から僕のなかにもありました」。 行定監督は、山崎が言う葛藤について「その根本にあるのは、たぶん人からの評価なんじゃないかと」と捉えている。 「山崎は、すでにある部分で俳優としての地位を確立しています。 だからこそ、永田みたい役をやると『意外性がある』とみんなが思うわけで。 ただ、それも一つの評価です。 山崎は、成功している俳優ではあるかもしれないけど、山崎自身が自分に下す評価という部分では、決して成功しているわけではないのかもしれない。 というか、夢をつかんだ人間に見える人ほど、自分はまだ夢なんてつかんでいないと思っている。 そして小峰みたいな対象は、常にいるはずなんです」。 『パラサイト 半地下の家族』 公開中 で第92回アカデミー賞を制したポン・ジュノ監督も本作を絶賛しているということで、『劇場』はすでに海外での評価も高い行定監督の最新作として、これまでにない広がりを見せてくれそうな予感。 本作では、シーンが切り替わる際に暗転したり、観る者が実際に劇場に座って役者の芝居を観ているような構図で撮られたシーンがあったりして、演出の妙味が感じられる。 そして最後に『劇場』というタイトルを目にした時、永田と沙希が紡いだ確かな愛が走馬灯のように押し寄せるという造りも完璧だ。 本作では特に、山崎と松岡が織りなすラストシーンが白眉で、原作者の又吉自身をもうならせた。 思えばこのインタビュー取材を行ったのは2月上旬で、まさか新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界規模で起こることなど、想像もしていなかった。 この数か月で、日常生活はもちろん、映画業界も激変したのは言うまでもない。 だから最後は、3月25日のコロナ禍において、無観客の完成披露イベントを行った際に、山崎賢人が放った言葉で締めくくりたい。 「『劇場』は観終わったあと、大切な人を思い浮かべるような映画になっていると思います。 自分が生きていくなかで、上手くいかないことってたくさんあると思いますが、そういうことも、最後にはいい方向へ向かっていくんじゃないかと思えるような作品になったのではないかと。 無観客でイベントを開催してみて お客さんのいない劇場は寂しいんだなと思いました。 やはりお客さんに観てもらってこそ、作品は成立すると改めて思いましたので、その魅力を伝えていけるように、頑張りたいと思います」。

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