三人称 視点。 小説の「人称」について。一人称、二人称、三人称の違い。

一人称と三人称の違い【小説・視点のブレ・三人称一元視点・神の視点】

三人称 視点

沈丁花さんからの質問 三人称と神視点の違い どうも、沈丁花です。 さっそくなんですが本題を。 皆さんの考える三人称と神視点の違いってなんでしょうか? 僕は今までほとんど三人称で書いてきたのですが、 今読み返してみると神視点ではないかと疑えるものがいくつかあります。 みなさんが考える三人称と神視点の違い。 また、どうのような事に気をつければ神視点にならないかなど教えていただけると助かります。 乱文失礼しました。 みつきさんからの意見 沈丁花さま、こんにちは。 三人称神視点と三人称個人視点の違い、ということでレスさせていただきますね。 三人称神視点とは、まさに神様の視点で読者にその小説世界をご案内することです。 「今、あっちではこんなことが起こっていて、こっちではこうなっています。 Aさんはこのような考え方をしていて、その側にいるBさんは、また違う考え方を持っています。 ちょっと離れたところにいるCさんは、二人とはさらに違う考えを持っています。 Dさんは現在このような状況にあり、対立するEさんはこの点でDさんより有利な立場にあります……」 と、まるでツアーガイドさんのように、小説世界を上から覗き込んで、 読者に全部説明してあげたりすることができます。 これが三人称個人視点になりますと、小説に登場する誰か一人のキャラの視点から、 その小説世界を読者に見せることになります。 一人称の視点と似たような感じで、視点を持つキャラの見たこと、聞いたこと、やったこと、 考えたこと以外は、読者にはよく分からないようになっています。 ただ、三人称個人視点は一人称視点ほど視点がガッチリ固定されていないので、 視点を持っているキャラから視点が離れてそのキャラの外見を描写したりだとか、 キャラの居る場所をロングや俯瞰で見せて読者に分かりやすく説明したりだとか、 時々視点を持つキャラが見たり聞いたり出来ないことを、 神視点的に読者に見せたり出来るようにもなっています。 ですが、そうした後は視点を速やかに元のキャラに戻し、なるべく違和感を持たせないように、 再び一人のキャラの目から見た小説世界ストーリーを進める、というのがお約束です。 と、こんな感じでご理解いただけるでしょうか……。 それではこれにて、失礼させていただきますね。 GONさんからの意見 こんばんは、GONといいます。 「この些細な出来事が3年後に自身を脅かすことになるとは、今の彼には想像もつかなかった」 というようないわゆる「神の視点」ですが、 これは作者と読者の立ち居地の違いから生まれる問題です。 読者は(あらすじや書評などで得た情報を除いて)今までに読んだ部分しか知りません。 対して、作者は作品の展開を全て知っています。 作品への知識に関して、作者は読者よりも圧倒的に優位にいるわけです。 この作者の持つ根本的な優位が「神の視点」を生むことになるのですが、 コレをあまり無邪気にやりすぎると読み手の方は 「なんだこりゃ、上から物を見やがって」とやる気をなくしちゃうわけです。 加えて、いちいちのシーンを「神」に説明されるとなれば、そりゃあ誰だって興醒めするよね。 翻って、「神の視点」の予防法ですが、 上で説明した作者と読者の優位性の差をなくしてやれば解決します。 分かりやすく言えば「今までに作中で提示した情報以外は書くな」ってこと。 読者は先の展開なんて絶対に分からないんですから、 読者の読んでいる段階に合わせて書いていけば、とりあえず「神」は消えてくれるはずです。 ちなみに、この「神」を殺すことで20世紀以降の現代文学はスタートしたはずなのですが、 ここに来て死んだはずの神様が復活してきている傾向にあります。 この事に関しては批判も賛同もしません。 神にも功罪ありますし。 時代遅れな神様をコケにするか、新たな信仰の対象にするかは、ひとりひとりの書き手次第です。 とりあえず沈丁花さんは神様にはならないようですが、 また暇ができたら、この全知全能さの功罪をじっくり考えてみるのもいいかもしれませんよ? ayakaさんからの意見 今晩は。 締め切りが同日のレポートが3つもあってヤバすぎるayakaです。 「三人称」と「神の視点」の違い、ですか。 うまく説明できないかもしれませんが。 というハウツー本によれば、「神の視点」とは「視点移動」のことのようです。 (本を実家に置いてきたからうろ覚え・・・・・・) 「視点移動」についてはこのHPの第一研究室に書いてあります。 具体例をあげてみます。 <具体例1> 顔が熱い。 足が小刻みに震えている。 心臓は早鐘を鳴らしていた。 一度大きく息を吸う。 そして、花子はついに口を開いた。 花子が自分を好きなんて考えたこともなかった。 適当な文章ですいません!!! 「顔が熱い〜好きです」までは、花子の視点ですが、 「唖然となった」以降は太郎自身の言動なので、太郎に視点が移動しちゃってます。 わかりづらい説明でごめんなさい。 にはもっとわかりやすく書いてあります。 三人称をだと思っていたら神視点になっちゃってたというケースの具体例も挙げてあります。 興味があるのでしたら、読んでみてください。 少し古い本なので入手困難かもしれません。 私は古本屋で見つけました。 ただし、著者の若桜木氏はこの本の中でライトノベルを痛烈に批判しているので、 それを了解の上読んでください。 長くなってごめんなさい。 ではでは。 寛太郎さんからの意見 簡単で申し訳ないですが、大きな勘違いがひとつあるので指摘。 「神視点」は、三人称の中に存在する視点のひとつです。 ゆえに「神視点」は三人称ですので、意地悪な言い方をするならば、 この二つに違いがあったらおかしいです。 確か、ラノベの が神視点だったと思いますので、お持ちでしたら読んでみるのも宜しいかと。 ただ、現代小説からは神視点の小説が極端に少ない気がするので、 あまりメジャーな視点ではないかもしれません。 フライエさんからの意見 「神視点」と「三人称視点」については、先に皆さんが説明されているので、 私からは簡単に済ませましょう。 神視点は、ものすごく高い位置から全てを見通した視点。 だから語り手は、その瞬間における世界の全てを知っています。 一方三人称視点は、そばにいる誰かがその場面をレポートしているような視点です。 一人の人間の視点に合わせて第三者がことの顛末を見届けている感じで、 その場における状況以外の事柄を語り手は知りません。 つまり情報を開示できる範囲が違うわけです。 そして次が本題。 どのようなことを気をつければ神視点にならないか、という質問ですが。 目線を固定すれば良いと思います。 具体的に言えば、シーンごとの中心人物(主人公というわけではありません、 あくまで語り手が追う人物です)を決め、その人間が知りえない情報は絶対に書かない。 例えば他の人間の心情とか、他の場所で同時に起こっていることとかでしょうか。 まぁ書かないといっても、事実として書かないということであって、 予想や思い込みとして書くのはありですが、その場合はその場合で明言する必要があります。 これに気をつければ神視点になる事はまずありえないでしょう。 幻想魔術師さんからの意見 こんにちは。 幻想魔術師です。 神視点も三人称視点も難しそうで使ったことはないのですが。 ちなみに違いも、三人称視点が「主人公以外の人間」神視点が「作者もしくは神」からの視点。 くらいしか知りません。 効果が高いというか使いやすいのが神視点で、 わかりやすいというかリアリティがあるのが三人称視点かなと思います。 銀英伝の後世の歴史家の視点とかどっちなんだろ? とか思いますけど。 参考になれば幸いです。 というか中身の薄い意見ですいません。 煌れこさんからの意見 こんにちは。 初投稿で合唱コンクール並みに緊張している煌 きらめき れこです。 三人称と神視点の違いについてですが、三人称は物語を一緒に追って行く形…… つまり本当の三人称視点といえると思います。 対して神視点は物語のあらゆることに精通し、 主人公たちが知らない情報をも読者に与えてしまう視点じゃあないかと思います。 具体例をあげますと、いま主人公が戦っている敵がいるとします。 その敵には、命をかけて戦うに値するエピソードが存在しているとします。 当然主人公はそれを知らないので、敵の口からその情報を聞かないと事情がわからないわけです。 ここで三人称と神視点が分かれます。 実際に敵から聞いたところで、それを踏まえて生まれた情報を提示するのが三人称。 口から聞いていないのに、倒した後とかに敵の過去を提示するのが神視点。 ということだと思います。 ずばり私は、神視点だと物語を追って楽しみたい読者にとって、 疑問になってしまう場面が出てくるのではないでしょうか? と思っています。 自らは過去を語らず、かつ死んでしまったキャラの過去を知らせたい場合は、 他のキャラをうまく利用して主人公に情報を与える場面を用意したらいいと思いますよ。 携帯版サイト・QRコード 第4研究室は小説を書く上での質問・悩みをみんなで考え、研究する場です。 質問をされたい方は、よりお願いします。 質問に対する意見も募集します! 投稿されたい方はこちらのよりどうぞ。

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[ゲーム用語]TPSとFPSの違い、三人称視点を好むのが日本人らしい[FPS上達法]

三人称 視点

一人称視点で創作することに関して まずは 一人称視点で小説を書く場合について考えていきましょう。 以下が例文です。 「昨日の晩御飯なんだっけ?」と僕は呟いた。 「お前の顔が腹が立つ」と言って彼は僕の顔を殴った。 このように 地の文が一人称に固定されたものを指します。 ではこの用法を採用するメリットとデメリットについて解説します。 一人称視点でのメリット 一人称視点を採用しているのは、どのような作品が多い印象があるでしょうか。 一人称視点は一般的な小説にも採用されていますが、 ライトノベルのように読者に主人公を重ね合わせてもらうことを意識した作品に特に多いと考えられます。 つまり一人称視点を採用すると「 読者を主人公や物語に引き込みやすくなる」というメリットがあるのです。 「 僕」「 俺」「 私」などの一人称が使用されることにより、 まるでその場で体験しているかのように感じられるのが物語に入り込んでいける理由です。 それから「 一人称視点の小説は書きやすい」というメリットもあります。 視点が一つに絞られ、なおかつ主人公に合わせられるので序盤からサクサクと筆を進めることができます。 視点をあれやこれやと切り替えるのは見ている側も 書いている側も混乱しやすいのです。 とは言えあくまでも傾向があるだけであり、一人称視点より後にご紹介する三人称視点の方が書きやすいという方もいらっしゃるでしょう。 一人称視点でのデメリット 一人称視点でのメリットは主人公を中心に描写できることで読者を物語に引き込みやすいことでしたが、これはデメリットにもなりえます。 主人公を中心に描写というより、 主人公の知るところしか描写できないんですね。 例えば主人公のいる場所から遠く離れた場所にいるキャラの描写はできないんです。 これは非常に困ることが出てくるはずです。 序盤では主人公やその周囲のキャラを描写しておけばよいのですが、ストーリーが進行するにつれて登場キャラは増えるので全員が一緒の空間にでもいないと描写できずに空気と化すのです。 もう一つのデメリットは「 主人公の話ばかりで飽きる」という点。 主人公以外の心情や状況の描写ができないので、当然 主人公について描写が殆どになり、序盤はまだしも中盤あたりで飽きが出てくる場合があるのです。 これは読者にとっての飽きもそうですが、書いている作者も同じです。 魅力にあふれる主人公であればずっと見ていても飽きることはありませんが、舞台装置としての特徴しか無い主人公だと飽きが来てしまいがちなのです。 ですので 個性のないタイプの主人公を登場させる場合は一人称視点をオススメしづらいですね。 三人称視点で創作することに関して 次に 三人称視点についてお話します。 以下が例文です。 一「こんばんは。 お久しぶりです」彼は彼女に明るく挨拶をした。 二「こんばんは。 お久しぶりです」彼は内心、彼女を軽蔑しながらも明るく挨拶をした。 違いの方はおわかりいただけただけたでしょうか。 この二つは三人称視点であり、一は 見た状態だけを描写する方法で、二はそれに加えて 外見からはわからない心情をも描写する方法です。 二は 三人称多元視点とも呼ばれます。 そして 一人称視点の書き方をそのまま三人称へ変え、視点が動固定されたものを 三人称一元視点と呼び、 一人称視点とは異なりシーンが変わると視点が変えることができます。 では、これら三人称視点を用いることによるメリットとデメリットについてお話しします。 三人称視点でのメリット 三人称視点の一番の利点は「 主人公周辺以外のキャラや場面もしっかり描写できる」ということでしょう。 人気創作になるのには主人公だけの力では相当難しいです。 ヒロイン、サブキャラクター、敵キャラクターなど 様々なキャラクターが互いに関わり合いながら魅力を引き出すことが作品全体の人気へ繋がります。 主人公だけではなく、その他のキャラクターの描写にも力を入れたい方には三人称視点をオススメします。 また心情描写を入れるか否かについては、ご自身がどういう創作を書こうとしているかによって変わってきます。 謎や伏線の多い創作では心情描写を入れずに書くと、より読者を真相に迫らせるのを困難にさせることができます。 三人称視点のデメリット 得意不得意はありますが、 三人称視点をはじめて書く人は視点が動くことに難儀することでしょう。 自分ではしっかりセリフに対して誰が誰に言ったことがわかるように解説できている気であっても、読者からしてみると「 これ誰のセリフなんだ?」と困惑させていることも考えられます。 逆に読者のことを考えすぎるあまり、 セリフに対して誰が言っているのかを詳細に描きすぎてくどく感じさせてしまうこともあります。 あとは 読者を主人公に感情移入や自己投影させることに対しては一人称視点創作には劣ります。 特定の人物に偏ることのない描写をするのが三人称視点創作になるので、主人公を特別に濃く描写するのは難しいでしょう。 さいごに 今回は「小説で使う人称視点」についてお話してきました。 他には 二人称視点創作がありますが、使用頻度が極端に少なく扱いが難しいので当記事では割愛しました。 読者に語り掛けるように二人称「あなた」を使う二人称視点創作は、エッセイなどで目にすることがありますね。 あと一人称視点と三人称視点を交えた創作を稀に見かけますが、 できるかぎり使う視点は一種類に絞った方が作者読者共に混乱を招くことが無いでしょう。 ご自身の書きたい創作にあわせて使う人称視点を決めていきましょうね。 それではまた次回お会いしましょう。 よろしければブックマークやフォローお待ちしております!Twitter ちょっとしたネタが貴方の大きな創作に繋がりますように。

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三人称一元視点とはどういうものなんでしょうか?可能なら例文もお願いしま...

三人称 視点

Contents• 人称の種類 一人称、二人称、三人称があります。 また、三人称には一般に単一視点(一元視点)と神視点といわれるものがあります。 それぞれの違いを表にします。 なお、視点=カメラにたとえて説明しています。 一人称 概要 「私は……」、「僕が……」というように、登場人物の目線から語られる物語になります。 視点人物=主人公であることがほとんどです。 視点 視点人物の目をカメラとする。 視点人物の見えていること、知っていること、考えていることだけしか描けない。 二人称 概要 「あなたは……」、「君が……」というように、視点人物の目線から別の人物が語りかける(または語られる)物語になります。 視点人物の目線からある人物を描き出すため、相手に語り掛けるような小説が多くなります。 視点 視点人物の目をカメラとし、特定の人物にフォーカス。 一人称よりも他者の視点をいれやすい。 三人称(単一視点、一元視点) 概要 「彼女は……」、「彼が……」というように、客観的視点から語られる物語になります。 特定の登場人物の後ろに立って物語を描き出すような形です。 客観視点を描きながら、登場人物(特定の1人)の内面描写も可能とします。 複数の内面描写を入れる場合を多視点といいます。 基本的に、彼女や彼を、私に置き換えても文章に破綻がありません。 ほとんどの小説が、一人称の「私」を「彼or彼女」に変えただけのものといった印象。 視点 登場人物の後ろ、または頭上にカメラがある。 登場人物の視点からも描くことも、彼らの見えない視点から描くことも可能。 三人称(神視点) 概要 「彼女は……」、「彼が……」というように、客観的視点から語られる物語になります。 基本的に、登場人物の内面描写をほぼ入れません。 入れる場合には、台詞のように地の文へ直接書き込んだり、神視点からの情報提供として描くことになります。 神視点といわれる通り、登場人物を上から見て描く手法です。 視点 登場人物の頭上にカメラがある。 ある状況をそれぞれの視点で描いてみる。 描き出す状況 「昼寝していたところ、物音で目が覚めた。 」 一人称 チャイムの音ですっと意識が浮上した。 だるい体を起こしかけたところで誰かの足音が聞こえた。 誰かいたっけ。 眠気には勝てずクッションに頬をつける。 目覚めたときよりも容易く意識が落ちていった。 二人称 あなたはチャイムの音で目は覚めたのね。 誰かの足音が聞こえたから、あなたは起き上がった。 誰かが家にいたことに少しびっくりして、だけど眠気に負けてまた眠ってしまったのね。 どうせ家族の誰かだと思ってのでしょう。 三人称(単一視点) 創子はチャイムの音で目を覚ました。 だるい体を起こしかけたところに、誰かの足音が聞こえた。 誰だろうと不思議に思ったけれど、眠気には勝てなかった。 創子はクッションを抱きしめて目を閉じた。 三人称(神視点) 玄関チャイムが鳴った。 眠っていた創子はぴくりと瞼を震わせた。 微かに唸って体を起こしかける。 部屋の外で足音がタタタっと響いた。 創子は小さく息を吐いてクッションを抱きしめると、また目を閉じてしまった。 同じ場面の描写ですが、受ける印象はまったく違うものになります。 描こうとしている小説の種類、ストーリー展開によって、人称を使い分けるのが大切です。 二人称は独特なのでわかりやすいです。 また三人称(神視点)は、キャラクターと読者の距離が離れているため、大河ドラマのような作品や、ハイファンタジーなどにしか使えないかなとも思います。 ようは、使いやすい作品というのも限られるということです。 そうなると、使い分けで困るのが一人称と三人称(単一視点)。 実際のところ、これもしっかり使い分けるべきで、安易に「一人称のほうが書きやすい」とか「三人称のほうが好き」とか「三人称のほうがレベルが高い」(そもそも別に高くない)とかいう理由で選ばないほうがいいと思います。 とくに 純文学を書かれている方々。 文体、視点に工夫がある作品は、上に行きやすいと思います。 独自の語り口をもった一人称とか、多少読みにくくても評価されます。 場合によっては、読みにくいことこそが評価されることさえあるんですよ! 三人称にこだわるのはナンセンスですし、作風によっては三人称(神視点)で登場人物を突き放すなどもアリだと思います。 人称の選び方からかなり重要なジャンルだと考えてください。 一人称と三人称(単一視点)の違い 主格が、私なのか、彼女(彼)なのかというのが大きな差になります。 「彼は~」の彼を、私に変えても問題ないので、一人称を書ける人ならだれでも三人称(単一視点)を書くことが可能です。 逆はなかなか難しいです。 三人称(単一視点)を書けるならほぼ一人称も書けますが、うまい一人称がかけるとは限りません。 というのも、 一人称のほうが制約が多く、また文章から主人公のキャラクターを漂わせるほうがベターなため、三人称(単一視点)よりも扱い方はむしろ難しいからです。 もちろん、ほとんどの人がはじめは一人称のほうが書きやすく感じると思います(作文などで慣れているため)。 そのせいか、「三人称のほうが難しい」とか「一人称に逃げるべきではない」という書き手さんが結構いらっしゃるのですが、うまく書こうと思うなら一人称はほんとうに難しいと思います。 一人称は語り口の上手さが問われるし、三人称は書き手の色を出すのがなかなか難しいように感じます。 一人称と三人称(単一視点)は、ともに内面・心情描写が可能です。 ですが、一人称視点では客観視点を描くことができず、主人公の知っている範囲しか描けないという制約があります。 つまり、「(後になって知ったことだけれど)僕が寝ていたとき妹は……」というのはしにくいのです(私はしてもいいと思うんですが、否定するかたもいらっしゃる。 見てきたように書くなと)。 また客観描写が描けないため、出したい情報を適切に出せないことも多くなります(これを逆手にとって事実を隠した物語を書くと、叙述トリック小説などになります)。 しかし、三人称(一元視点)ではそれも可能。 心理描写も可能。 章ごとに視点も変えやすい。 なんでもありな文体です。 最初は三人称に戸惑うかもしれませんが、こちらのほうが書きやすいと思います。 個人的には、 誰が書いてもそこそこのレベルに達することが可能なのが三人称(単一視点)だと思います。 初心者さんはまずはこれを試すことをおすすめします。 ただし、こちらで一人称と同等レベルの特色を出そうとすると、逆に難しくなります。 繰り返しますが人称というのは物語にあわせて選ぶものです。 どれを選ぶべきかよく考えることが大事だと思います。 どんな小説に、どの人称があうのか? 一人称 主人公の心情を描いた作品、主人公のキャラクターを出したい作品、主人公の誤解を利用した作品、叙述トリック(読者に誤認させる)、日記風、エッセイ風 傑作と思う一人称小説。 『夜は短し歩けよ乙女』『マリー・アントワネットの日記』『消失グラデーション』 二人称 誰かに語りかけるような作品。 過去をある人物を中心として描くような作品。 三人称(単一視点) どんな作品にでもだいたい使える。 主人公格の登場人物が複数いる作品、視点人物が変わりやすい作品、主人公一視点だが客観性を要する作品(例:警察小説)、主人公一視点だが視点人物のキャラクター性が薄い作品、客観性が必要とされる作品 三人称(神視点) 設定の説明が必要な作品(例:SF、ファンタジー、時代小説)。 おわりに もう一つ、一人称、二人称、三人称(単一視点)で状況を書いてみました。 同じ場面でも人称によって与える印象がかなり違うと思うんです。 どの人称が合うのか、よく考えて選ぶことが大事だと思います。 (文章は上手くないので、雰囲気だけ感じ取ってください) 一人称 「別れたいの。 だって、私のことそんなに好きじゃないでしょう」 創子がそういったとき、僕は声を上げて笑い出しそうになった。 どうしても今日会いたいのと呼び出されたときから予想していたのだ。 悲し気に目を伏せ、両手を胸の前で握りしめている。 僕がそれをかわいいと思うとでも? その手を取って別れたくないといえば、今日のところは帰れるだろうか。 「わかったよ」と頷いたらきっと面倒なことになる。 思わず時計を見た。 もうすぐ十一時といったところ。 今夜は午前様か。 別れ話ならメールでお願いしたいんだけど。 二人称 「別れたいの。 だって、私のことそんなに好きじゃないでしょう」 あの日、君はそういったよね。 どうしても今日会いたいのって呼び出されたときから、話の内容に見当はついていたんだ。 思った通りで笑い出したくなったくらいだ。 君は悲しそうに目を伏せて、両手を祈るように胸の前で握りしめていた。 その手を取って別れたくないといったら君は笑って抱きついてきたんじゃないかな。 だけど俺は「わかったよ」と頷いた。 君はそれで怒り出したんだ。 わかるよ。 君は僕が謝ってくると思っていたんだろう。 本気で別れるつもりならメールを送っていたはずだ。 君はそれから家に帰った。 怒りが収まらなくて暴れて、それから泣いたんじゃないかな。 三人称(単一視点) 「別れたいの。 だって、私のことそんなに好きじゃないでしょう」 と創子がいった。 作太は声をあげて笑い出したくなった。 「どうしても今日会いたい」と呼び出されたときから、そう言い出すだろうと予想していたのだ。 創子は悲し気に目を伏せ、両手を胸の前で握りしめている。 かわいいでしょといわんばかりの態度に、作太はうんざりした。 その手を取って別れたくないといえば話は終わるかもしれない。 だけど、わかったよと頷けば解放まで時間が掛かりそうだ。 時間を確認するともうすぐ十一時といったところ。 下限の三日月が嘲笑するように笑っている。 作太は溜息を吐いて別れに同意した。

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