鬼怒川 洪水。 鬼怒川で起きた大洪水を歴史と科学で検証する 水を治めてきた先達の知恵を疎かにしていないか(1/4)

洪水被害の対策(茨城県鬼怒川の堤防の決壊)

鬼怒川 洪水

茨城県鬼怒川の洪水被害と堤防の決壊(土でできている堤防は越水で簡単に決壊) 2015年9月に、茨城県鬼怒川の河川堤防が、決壊(破堤)して、大きな被害が出ました。 基本的に河川堤防は、維持管理が行いやすい、 土盛りでできています。 そのため、豪雨により河川水が堤防を 越水(えっすい — 堤防などの頂上から流出する水)すると、流れ落ちる水の力で、土で盛られた堤防内側(住宅側)は浸食され、堤防は自立できなくなり、簡単にくずれます。 作用川(兵庫県)も越水で決壊しました。 同じく兵庫県の、加古川や円山川でも、越水で堤防が決壊しています。 鬼怒川を中心として、河川堤防の決壊について、そのメカニズムはどうなっているのでしょう? 鬼怒川など河川の堤防決壊による洪水被害 台風17号に刺激された秋雨前線で、鬼怒川では、48時間で370メートルと、100年に一度の大雨により、茨城県常総市の若宮戸(わかみやど)で、越水による浸水被害が発生しました。 上流の茨城県の鎌庭(かまにわ)で、水位がピークに達したため、と言われています。 その後、三坂町で堤防が決壊し、大規模な洪水被害が発生しました。 洪水により、土盛り堤防内側は、浸食でえぐられ、さらに、濁流で掘られた池状の穴が発生しています。 決壊要因のひとつとして、水海道付近(みつかいどう)に、河道狭窄部(狭い川)があり、その急速な水位上昇があります。 旧河道上に、決壊地点が位置しており、ここは昔から、 河道の付け替えが、行われていました。 河道とは、河水の流れる道のことです。 堤内の土地は、自然堤防に集落があるほかは、水田などの農地です。 若宮戸(わかみやど)地区の堤内には、自然堤防上にソーラパネルがあり、浸水し、破壊されました。 パネル形成時、この付近の林が伐採され、自然堤防を削っていたので、その影響もあるとの報告もあります。 堤防決壊の原因は、新聞各紙は、越水により、堤防内側が削られたことによる、と報告しています。 しかし、大豊は、越水の証拠はないのです。 堤防法面(のりめん)に、水がしみ出していたとの住民の報告や、決壊箇所上流の、 堤防法尻(のりじり — 法面の一番下の部分)に、パイピングでの噴砂の報告などから、堤防内部に浸透水による崩壊としています。 法面とは、建設工学用語。 一般には切取りまたは盛土によってつくられた人工的傾斜面のことである 図 が,自然傾斜面ものり面ということがある。 切取りののり面は,もともと安定していた自然の地盤を切り取ってその安定を破壊するものであり,また盛土ののり面は,盛土の施工後日の浅いうちはまだ十分に安定していないので,大雨などの状況の変化によってしばしば崩壊を起こすことがある。 のり面崩壊の原因は種々あるが,雨水や地下水の浸透などによる浸食,風,気温などによる風化作用,また,地震による振動や地震力などがあげられる。 【コトバンクより引用】 決壊付近の 堤体盛土(ていたいもりど)の下は、軟弱な 沖積砂層(流水によって運ばれてきた土砂などが堆積たいせきした砂の層)からなり、不安定な地質のため、堤体では、浸透破壊が生じた可能性があります。 なぜなら、 土盛り堤防は河川水位の高い状態が長く続くと、堤防に水がしみ込み、土が水に浮くような状態で弱くなり、さらに、水流が強くなると、堤防自体が壊れ出します。 堤防のすぐ下の沖積砂層も、浸透現象を起こしやすい層なので、より浸透が進んだと考えられます。 旧河道の付け替えも、影響している可能性もあります。 決壊の原因は、詳細な調査が望まれます。 鬼怒川には、上流に、洪水調節をする規模の、大きなダムが四つもあります。 国土交通省によれば、ダムがなければ、およそ30センチの水位が、高くなったと報告しています。 このことを考慮すると、なぜこれほどまで、大きな被害になったのでしょう。 上流部のダム建設を後回しにしてでも、整備の遅れていた、下流部の堤防箇所を、整備しておけば、大きな洪水被害にならなかった、と考えることもできます。 河川堤防決壊のメカニズム 堤防決壊は、主に三つの、メカニズムが考えられます。 一つ目は、 越水です。 河川水位が大雨で高くなり、堤防を越えてあふれ出し、その濁流が、土堤防の内側(住宅側)を浸食し、削り取りが進行すると、一気に崩れます。 二つ目は、 浸透です。 大雨で、河川水位が長時間上がると、河川水が堤防に浸透します。 その状態が続くと、浸透した水は、堤防内側に出てくるなど、水の通り道が形成され、水とともに堤防土砂が流れ出し、堤防が崩れます。 三つ目は、 洗堀(せんくつ)です。 洗掘とは、流水や波が、川底・海底や堤防の表面などを削り取ること。 【コトバンクより引用】 河川の強い流れによる、水の力で、堤防外側(川側)が、削り取られていきます。 損傷した部分は弱くなり、強い水が流れ、さらに削り取られ、最後は堤防がすべり出して崩壊します。 実際には、これらの要因が、同時に関係していることが多いのです。 越水が生じると、 天端(てんば)や 裏のりが、 洗掘(せんくつ)され、破堤に至るので、天端を舗装して、洗掘に耐える構造にするなどの工夫が必要です。 天端とは、堤防やダムの最上面。 管理用の道路としても利用される。 【コトバンクより引用】 「 のり」とは堤防の法面の略で、堤防の上から見て川側ののり面を表のり、市街地側ののり面を裏のりと言います。 【Weblio辞書から引用】 表のり面の洗掘は、 河道屈曲部などで発生します。 裏のり面は、浸透水の 湧出(ゆうしゅつ — 地中からわき出ること)により、洗掘被害を受けます。 河川水位が上昇する要因として、河道や川の屈曲部が、急に狭くなるなどがあげられます。 また、川の合流付近では、流れが妨げられ、水位が上昇します。 鬼怒川も、利根川との合流点が下流にあり、しかも上流部のほうが、川幅が広いため、容易に水位があがり、越水した可能性があります。 河口付近では、河川勾配が緩やかになり、さらに、満潮時では、海水が逆流するため、水位が上昇します。 越水しても被害を最小にする対策を 災害復旧工事は、前提として、川の水はあふれると考え、越水しても、護岸が浸食されないように、遮水工事などで防ぐことや、河川拡幅、二重堤防、遊水池の設置など、総合的な治水計画で、減災するシステムが急がれます。 しかし、地方自治体の貧困財政が、防災工事の進捗を、遅らせているのが現実です。

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鬼怒川で起きた大洪水を歴史と科学で検証する 水を治めてきた先達の知恵を疎かにしていないか(1/4)

鬼怒川 洪水

台風18号から変わった低気圧の影響で、関東や東北では10日も雨が続き、栃木県や福島県では50年に1度の規模の記録的な大雨となった。 茨城県常総市では、鬼怒川の堤防が決壊し、住宅が流され、市街地が広範囲に浸水。 12人が行方不明になっているという。 栃木県でも1人が死亡、別の川に流された1人が重体となったほか、読売新聞のまとめでは全国で25人が重軽傷を負った。 被害全容はつかめておらず、さらに増える可能性がある。 東北は11日も激しい雨が続く見込みで、気象庁は引き続き注意を呼びかけている。 同庁によると、10日午後6時までの48時間雨量は、栃木県日光市で614ミリ、鹿沼市で483ミリ、茨城県古河市で271・5ミリを記録するなど、関東や東北の11か所で観測史上最多を更新した。 同庁は10日未明から朝にかけて栃木県と茨城県に大雨の特別警報を発表、同日夜に一部解除した。 ヘーベルハウスとは、旭化成のグループ会社である旭化成ホームズが保有するブランド名称である。 ヘーベル君のキャラクターでおなじみの建設会社である。 「ヘーベル」とはドイツのヨーゼフ・ヘーベル社の軽量気泡コンクリートのことで、ヘーベル社との技術提携で日本に導入された。 耐火性や耐震性に優れ、水に浮くほど軽く、また、木と同じように湿度を調整する性質がある。 極寒のスウェーデンから極暑のクウェートまで、世界約20カ国で生産・使用されており、日本でも東京都庁や横浜ランドマークタワーなどでヘーベルが使用されている。 2003年には「オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」を受賞。 ニコニコ動画においてはヘーベル君による音MADが多数作成されている。 ヘーベルという建材はドイツのヨーゼフ・ヘーベル社との共同開発で生み出された軽量気泡コンクリートのことです。 しかし、ヨーゼフ・ヘーベル社は売上げ150億円ほどの会社で、 日本でこれほどまでに知名度のある名前の会社にしては非常に小さいと言えます。 これは、もののよしあしとは関係なく「逆輸入大好きな日本人」向けに「命名するため」に開発された商品なのかもしれません。 不均衡な契約をかわしているとの見方もできますね。

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常総市洪水ハザードマップ/常総市ホームページ

鬼怒川 洪水

鬼怒川では過去にも数年~数十年おきに洪水を経験している。 1723年(享保8年) - 五十里大洪水 1885年(明治18年) - 洪水 1889年(明治22年) - 洪水 1890年(明治23年) - 洪水 1896年(明治29年) - 洪水 1902年(明治35年) - 洪水 1910年(明治43年) - 洪水 1914年(大正3年) - 洪水 1935年(昭和10年)9月 - 台風に伴う温暖前線の活発化による豪雨で洪水 1938年(昭和13年)9月 - 台風による豪雨で洪水 1947年(昭和22年)9月 - カスリーン台風による豪雨で洪水 1949年(昭和24年)8月 - キティ台風による豪雨で洪水 1982年(昭和57年)9月 - 台風に伴う秋雨前線の活発化による豪雨で洪水 2002年(平成14年)7月 - 台風6号による豪雨で洪水 つまりここ最近の異常気象による洪水ではなく、鬼怒川流域は「線状降水帯」の発生によって大雨が継続して降りやすい地形なのである。 2.100年に一度の大雨に耐える堤防ではなかったのか 洪水を防ぐための計画を作成するとき、被害を発生させずに安全に流すことのできる洪水の大きさ(対策の目標となる洪水の規模)のことを計画規模という。 一般に大雨が発生する確率(確率年)で表現する。 利根川は200年に1回の確率で生ずる大雨を,利根川の支流である鬼怒川は100年に1回の確率の大雨を計画の基準にしている。 ここで、100年に一度ということばを使うと、次に大雨が来るのは100年後というように感じる。 99となる。 99 の20乗となり0. 逆に今後20年間に1度でも降雨がある確率は 1-0. 今回の降水量は鬼怒川流域の今市で24時間雨量541㎜を記録している。 鬼怒川ではこれまでの記録の残っている24時間最大雨量は289㎜であったため、今回の雨量は想定を大きく超えていたことになる。 では300年に1度の洪水にも耐えるようにすればいいのでは、という議論もでるだろうが、税金には限りがあるので、むやみにお金をかけられない。 また、工事のときは、お金だけでなく、土地を買ったり、家を移動してもらわないといけないことがある。 例えば堤防を2mかさ上げしようとすると、堤防の外側に4mの土地が新たに必要になる。 一人の反対があっても、なかなか工事が進まない。 3.堤防が弱かったのか 堤防が決壊する理由は次の4つである。 いわゆる「越水破堤」である。 4.上流のダムが機能しなかったのか 鬼怒川には、川俣ダム、川治ダム、湯西川ダム、五十里ダム、4つの洪水調整を目的としたダムがある。 9月10日から11日にかけて、上流から流入してきた水量を、4ダムが連携して絞って下流に放流する操作をし続けた。 4ダムの放流記録によると、堤防が決壊した9月10日には4大ダムへ合計毎秒約3000トンの水が流れ込んでいるが、下流への放流量の合計は毎秒約1000トン。 つまり1秒に約2000トンの水をダムに貯めて下流の被害の軽減につとめていた。 ちなみにダムの放流量調整は高い技術と豊富な経験が必要だ。 放流量を少なくし過ぎるとダムが満水になりその後の降雨による流入量をそのまま放流せざると得なくなり洪水調整できなくなる。 一方放流量を多くすると下流に大量の水が流れてしまう。 結果として堤防が決壊したのでダムが洪水を防いだとは言えないが、水量の抑制には十分に機能したといえる。 日本列島と北の千島列島、そして南の南西諸島の長さ約2000㎞の形は、ヒマラヤ山脈と東のインドシナの山脈、そして西のヒンズークシ山脈の長さ約2000㎞の形と相似している。 太平洋と日本海の海水を取り除き、横断図を描くと、日本列島と、ヒマラヤ山脈が相似形であることに気づく。 つまり、太平洋の海底、幅500㎞の日本列島、そして日本海の海底面への続く最大標高差1万m以上の横断図の形は、インドのデカン高原、ガンジス川がつくるヒンドスタン平野、幅500㎞のヒマラヤ山脈、そしてチベット高原へと続く最大標高差8000mの横断図の形と似ている。 このことから、日本列島はヒマラヤ山脈以上のまさに世界一標高差のある急崖であることがわかる。 いわば日本人は、ヒマラヤ山脈の8〜9合目あたりの急崖にへばりついて住んでいるようなもの。 同時に日本の川は、世界の屋根であるヒマラヤから急降下する、まさに滝そのものということになる。 こうした日本のこの急峻な地形のため、降った雨が急速に下流に流れ河川の水位が急激に上がってしまう。 近年は特に林業が衰退しているため、荒れた山地が多く、とりわけ多量の土砂が川に流れ込む。 その土砂は川底にたまるので、年々川底は高くなってしまう。 堤防の標高は変わらないので、水が流れる面積が年々小さくなっているこということだ。 そこで、山地からの土砂が川に流れ込まないように「砂防ダム」を造っている。 通常のダムは水をためるのが目的だが、砂防ダムは水をためず、土砂をためる。 近年では流入土砂が増えているため、場所によっては数年で砂防ダムが埋まってしまうことも多い。 鬼怒川上流域では脆弱な地質と急峻な地形から、豪雨時には山腹崩壊や土石流が頻発している。 このため、過去、たびたび土砂災害が発生してきた。 鬼怒川の川底はかなり上昇し、実際に水が流れる面積が小さくなっていたことが予想される。 しかし洪水対策を行う治水事業費は、平成9年2. 3兆円に対して、平成24年にはその33. 8兆円、平成27年には37. 今回決壊した付近は、国土交通省のシミュレーションでは10年に1度の大雨に対しても危険だと言われ改修計画が立てられていた。 関西で同様の洪水が淀川、大和川で発生すると被害規模10兆円と言われている。 関東でも、標高の低い荒川流域にて大洪水が発生する危険性が指摘されている。 今回の災害を教訓に、洪水の危険性を認識し、早期に対策を実施する必要がある。 現在は、全国の現場指導、コンサルティングを行っています。 本ブログでは、建設業界へのエールとともに、あまり見ることのない建設業界の裏側を皆さんに紹介しましょう。 【近著】.

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